アメリカで歯医者に行く

アメリカでの歯のトラブルの情報は,自分自身がオンラインで日本語の情報を集めた経緯もあって,ニーズがありそうな気がしているので,治療が一段落したところでの体験をまとめておこうと思う.

結局以前の仮留めは数日しか持たず,またぽろっと取れてしまったので(飲み込まなくてよかった),もう歯医者に行くしかないと覚悟を決める.週末だったのでとりあえず水だけ飲んでしのいで,月曜の朝一に近所で見かけたGeneral Dentistへ.名前も電話番号も知らないので,とりあえず飛び込み.探し回っている間に歯が削れてかぶせが合わなくなるのが一番怖いので.


「予約ないんだけど」と言ったらば,「普通はそういうのは受け付けないんだけれど,キャンセルが出たから見てあげる」ということに.ラッキーなんだろうけれど,もったいぶられたような気もして複雑.ちなみに値段を聞いてみると,大体かぶせをはめ直すrecemntが125ドル前後,レントゲン写真が25ドル,doctor's visitが75ドルと言われる.Visitって,医者もともとここにいるじゃない,と思ったのだが,まあ診察料のことなのか?しかも緊急扱いなので高いのは仕方ない.ちなみにcrownを作り直すと900ドルだとか!怖すぎる.


結局結構待たされた後に,患者ごとに分けられた小部屋に通される.日本の歯医者のように,大部屋に椅子を並べて仕切っただけではなく,部屋になっている.ドアは開けっぱなしなので,他の患者の様子は見えるのだが.部屋に入ると助手さんに椅子に座らされて,目の前のモニターを見ることになる.どのブースにどの患者が入っているかや,予約の状況が表示されているのだけれど,自分の名前のスペルが間違って登録されていないか確認できるのは安心だ.助手さんはぶっきらぼうでやる気が全く感じられないのだが,歯科医は現れた途端,フレンドリーかつ一方的に,治療方針を説明してくれる.普通はかぶせが取れてしまった場合,虫歯等が内部で進行していることが多く,Crownを作り直さなければいけないことが多いといわれる.まずは検査ということで,噂の椅子に座ったその場でのレントゲン写真を撮る.さらに歯科医がライト付きのカメラで口腔内をチェックして行く.そして気になるポイントで写真を撮影.それらの写真とレントゲン写真とが即座に目の前のモニターに映し出されて,それを使いながら病状の説明.この辺はほんとによくできているなーと思う.レントゲンも日本で撮っていた時よりもピンポイントだし,その場でシャープネスを調整しながら見れるので.日本でも進んでいるところはこうなのかもしれないけれど,手鏡を渡して「自分で見てみてください」とかやられるのとは雲泥の差.問題の個所の写真もかつてなく鮮明.アメリカの歯科医療が進んでいるというが,主に医療情報システムに関してなのかも?というのは,手技のほうは特別な感じはなかったので(後述).

幸いなことに,虫歯化しつつあるものの,今のCronwをはめ直す(Recement)ことができる状態ではあるらしいので,付け直してもらう.将来的にはもう一度はずして虫歯部分を付け直さなければいけないということで,仮留めのセメントの中の,一番強いものでつけてもらう.医者は方針を決めたら,さっさといなくなって,あとの作業は全部助手がやる.適当にはめて,「どうだ?」とか聞くが厚みがあって違和感があるので,「だめ」とか言うと,不満そうにもう一度はめ直す.この適当さは,多分コメディカル系の仕事は需要に比べて供給が少なくて,まじめにやらなくても仕事と高級が保障されているからではないかと勘ぐっている(参考:2010年の「最高の仕事」).口の中をさんざんいじられた後に,しばらく口を漱ぐなと言われるのもなんか慣れない.




ということで一安心だと思ったのだが,次の週末にあっさりまた取れてしまいました.それで休日に電話をしたのだが,ちゃんと対応してもらえて,翌日の朝来てくれと言われる.診察開始時間にはすでに患者がたくさんいて,また1時間以上待たされた.かぶせが取れてしまったのは,前回Crownと歯についている古いセメントをきちんと取り除かずに(いいかげんに)はめたせいじゃないの,ということを,相手に何か言われる前に頑張って主張してみる.納得してもらえたのかわからないが,今度は歯医者自らが,ドリル等を使って歯の表面を削り,結構痛い思いをする.しかし削るときに出てくる水の量が少ないのか,熱で焦げ臭いにおいがするのが心配になる.全然器用そうでもないし.さらに,医者も助手もヒスパニックで,スペイン語で会話するので,順調なのかトラブっているのかよくわからずに,不安感が増す.とりあえずパーマネント系のセメントできっちりはめて終了.今回は日本でもおなじみの,椅子にくっついているうがいコップで口をすすぐらしい.


これでまた追加料金を取られたらどう抗議しようかと思っていたが,あっさりYou're good=ただ,と言われたので一安心.その後あまり問題のある方の歯を使わないで過ごしていたのだが,一週間たっても多少噛むときに神経に触る感じがあるが,外れそうな気配もないので,これでひとまず区切りがついた模様です.