メディアによる科学の支援という形

この頃の日本の学術界では,科学技術系の事業の見直しに関する,仕訳ネタ(Twitterの#shiwake3)が熱い模様.
その流れで,どうやって国民に科学への興味を持ってもらうか,理解してもらうか,という話題も出てくる.

それでこの二つ(研究予算の獲得と科学理解の増進)を同時に解決している例がアメリカにあるんじゃない?と思ったわけです.
National Geographic TV

Explorerシリーズ?ということで,深海探査物を連日上映していたようなのだが,その探査費用をNatGeoが出しているようなのです.
で,発見の成果を世間にアピールして,番組にして放送する,と.

ドラマチックに仕立てすぎていて,学術的な観点からはおそらく色々と突っ込みがありそうなのだけれど,おそらく億の単位で探索にお金が投入されているのではないかな.

こういうシステムが成り立つのは,ケーブルテレビというシステムでコンテンツの料金を回収できたり,英語ベースで世界中に配信できたりするという背景があるのかもしれないけれど,歴史研究なんかで産業応用が見込めないような分野であっても,ある種の研究を出口に対する投資という形を取って実施することはできないかな,と考えてみたりする.

最も科学に対する態度というのには,根深い文化的な背景があると考えるべきなんだろうけれど.
例えば,

なぜ、「科学」はウソをつくのかから,竹内薫の意見を孫引きすると,

アメリカで科学ファンが多い理由は、アメリカでは科学が常に宗教と本気バトルをしなければならず、その勝負を見て、科学側に立つことを決めた人が多いからだろう」、一方で「日本は科学に敵がいなかった結果として関心を持たれないようになってしまった」というもの。

だそうで,説明としては面白いかも.