「コンピュータ・ビジョンの業界動向」の感想

正月早々,技評のサイトに面白そうな記事が掲載されていた.
皆川さんの「コンピュータ・ビジョンの業界動向

なんだかいきなり取っ掛かりで躓いたのだが,「まず最初にIT業界にARの存在を大きく知らしめたのは,間違いなく2008年に発売された芸者東京エンターテイメントのARisでしょう。」という電脳フィギュア ARisというものをまったく知らなかった.そんなに有名だったのでしょうか?

この分野の研究に多大な投資をしているIT企業というと例えば,MicrosoftAdobeGoogleが挙げられます。特に前の2社は,CVPRやICCV,SIGGRAPHといった世界トップクラスの国際会議に,毎回多くの研究を通しています。

MSは印象があるが,Adobeは研究所が表に出てきたのも最近だった気がするし,まったく露出している印象がないのだけれど,CG系では常連なのかなあ?そちらはまったくフォローしていないので.

それからMSのProject Natalが取り上げられていましたが,これ自体ではなくてこれ的な研究に対しては,ネガティブな印象しかないというのが正直なところである.


Googleの話では記事の内容とずれた感想になるのだけれど,Googleという会社の位置付けが変わってきたような気がする.昔はシンプルさ優先で,確実にいけるものだけを拡張として取り入れていたという印象があったので,検索結果に関連語句の表示がされるようになったときは感慨深かったのだが,今はどちらかというと賑わい感を出すために新しい技術を取り込んでいるような雰囲気もあって,「Googleが採用したのだからこの技術も使い物に(精度ではなく有用性という意味で)なったのだなあ」とは思えなくなってきている.


文献として柳井先生のものを挙げているが,私もよく人に勧めています.英語文献でもこういう風にまとまっているのはなかなかないと思う.