Google Goggles

最初このニュースを見たとき,「あれ?これってもう出てなかったけ?」と思ったけれど,以前出ていたのはWeb検索でのfind similarをするシステム「
Google Similar Images」で,今回のはAndroidをベースにして,携帯電話のカメラで撮った写真をクエリにしてCBIRをするものらしい.


それで類似検索の方は通常の画像検索に統合されているようなので試してみたら,find similarというよりfind sameな感じになってて,結果がクラスタリングされているわけでもないので,あまり役には立たなそうな印象.


さて,Google Gogglesのページを見てみると,landmark, book, contact info, ...という順番でカテゴリが並んでいるけれど,これは自信のある順番なのかな?


CBIRの成否の鍵は,一つには上手く動いてありがたいアプリケーションを見つけることだと思うのだけれど,その点ではあまり新味はないのかもしれない.

これは何? 見た物を検索してくれる「Google Goggles」公開

現時点では、大きな建物などのランドマーク、本、名刺、絵画、場所、ワインラベル、製品ロゴなどでうまく動作することが確認されている。しかし、食物や動植物、自動車などではうまくいかないという。
 将来的には、植物を撮影してその種類を検索したり、チェスの盤面を撮影して最適な手を教えるといった機能を付け加えるなど、さまざまな構想があるとしている。

植物の種類の検索っていうのは,多くの人が考え付く応用だと思うけれど,チェスの盤面から次の手を考える,というのはかなり飛躍があって面白い.


もう一つの鍵は,データベースの規模で,そこはGoogleが一番得意なところなんだと思う.これまで色々出てきた類似サービスは,利用者を満足させるだけの規模を達成できていなかったのだと思うので,そこを今回乗り越えることができたのかどうか,Android携帯を持っていないので,試せないのが残念なところです.


以前使ってみたものに,アメリカの方のサービスで,本の表紙を写真で写すと,その本のAmazon.comのページにつないでくれるというのがあって,かなり上手く動いていたのだけれど,日本では洋書に関する情報を書店などの実空間で探す必要があまりなくて,結局使わなくなってしまった.

今回のGoggles以上に一般的な物体認識を狙ったサービスに,オリンパスの「スティッキーズ!」というのがあって使ってみたことがあるのだけれど,身の回りのものをいくつか撮影して送信してみたけれど,どれも『データベースにありません』みたいになって,使えなかった.つくずく保持しているデータの規模が大事だなと思った次第.まだサイトはあるみたいだけれど,現状はどうなっているのだろうか?(これまた今は試せない).


結局認識技術の問題ではなくて,データ収集の規模やらプロモーションでのユーザを集める力やらが問題になってしまうというのは,面白くない気もするけれど,屍が積み重なることにも意味があったということになればいいのかな.